ウィーンには、ウィーン美術史美術館をはじめ、
クリムトの「接吻」を所蔵する「19,20世紀オーストリア美術館」、
同じくクリムトの「ベートーヴェン・フリーズ」を擁する「分離派館」、
ボッスの「失楽園」のある「造形美術アカデミー絵画館」など、
素晴らしい美術館が、ひしめきあっています。
その中でも群を抜いて素晴らしいのが、
「ウィーン美術史美術館(Kunsthistrisches Museum,Wien)」です。
ヨーロッパでは略してKHM(カーハーエム)と呼ばれている、
大英博物館、ルーブル美術館と並び称される美術館です。
館の前の広場では、マリー・テレジア像が出迎えてくれます。
まるで宮殿のように美しく荘厳な建物は、
時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が金に糸目を付けずに、
1891年に建てた芸術品です。
中には、600年にわたるハプスブルク帝国の
至宝(絵画は7000点)が収められています。
1階には古典・古代コレクション、エジプト・オリエントコレクション、
彫刻・工芸コレクションなどが展示されています。
2階はフェルメール、ルーベンスをはじめとする名画の数々と、
ウィーンで一番美しいと言われるカフェがあります。
2階の名画中から、私の好きな絵を何点かご紹介しましょう。
まず、なんといっても外せないのが、
フェルメールの「画家のアトリエ」です。
これは2階の東ウィング、オランダ絵画の24室で観られます。
経済的に苦しく、借金もしていたフェルメールが、
最後まで手放さず、残された妻も守り通したという名画です。
私には、フェルメールとその妻が1枚のキャンバスの中に描かれている、
夫婦の愛が描かれている唯一の絵だからだと思えてなりません。
他にも、ブリューゲル(父)の「バベルの塔」、「雪中の狩人」、
ルーベンスの「小さな毛皮」、ラファエロの「草原の聖母」、
ベラスケスの「青いドレスのマルガリータ王女」など、
誰でも一度は画集などで目にしたことのある、
美しい絵で埋め尽くされています。
ウィーン観光の第1番に、
このウィーン美術史美術館を訪れることをお勧めします。
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